うどんこ病は耐性菌が発達しやすい病気です。そこで3つの徹底が耐性菌リスクマネジメントに不可欠です。
うどんこ病は一度発病すると止めることが困難な病気です。ピリオフェノン剤はサニテーション効果により次世代菌密度を低下させることから、発病前~発病初期での使用を推奨します。
耐性菌は、一般的に同一系統あるいは同じ薬剤の適用により発生すると考えられています。本剤使用後は物理的防除剤やDMI剤など作用が異なる薬剤によるローテーション防除を推奨します。
うどんこ病菌は、遺伝的多様性に富む病原菌の一つです。また、過去の経緯より薬剤に対する耐性が発達しやすい病原菌と考えられています。ピリオフェノン剤を長くご使用いただくためには、1作期1回の使用を推奨します。
薬剤耐性菌の発達は、同じ薬剤あるいは同系統の薬剤の連用によって、特定の個体群が淘汰され、効果を示さない個体群が増加することが原因と考えられています。また、耐性菌の発達頻度は、効果が高く残効性が長い剤ほど高い傾向にあります。耐性菌管理は、薬剤耐性菌の密度を下げることが重要であり、系統が異なる薬剤とのローテーション散布が有効な手段と考えられます。
感受性菌が優占している。
A剤の散布によって、感受性菌が防除され耐性菌が生き残る。
生き残った耐性菌と、散布ムラにより生き残った感受性菌が増殖。
B剤散布によって感受性菌と耐性菌が防除される。
散布ムラにより生き残った感受性菌と、耐性菌が再び増殖。
C剤散布によって感受性菌および耐性菌が防除される。
感受性菌が優占している。
A剤の散布によって、感受性菌が防除され耐性菌が生き残る。
生き残った耐性菌と、散布ムラにより生き残った感受性菌が増殖。
A剤散布によって感受性菌が死滅するが、耐性菌が生き残る。
耐性菌が増殖。
A剤を散布するが、耐性菌はそのまま生存し、耐性菌が顕著化する。