ピリオフェノン ガイド

ピリオフェノンの作用点

うどんこ病菌の生活環とピリオフェノンの作用点うどんこ病菌の生活環とピリオフェノンの作用点

ピリオフェノンはうどんこ病菌における胞子の付着器・吸器形成から菌糸伸長までに至る各生育ステージを阻害することで安定した防除効果を発揮します。

ピリオフェノンの作用点 ピリオフェノンの阻害部位

付着器形成 に対するピリオフェノンの効果

付着器形成に対するピリオフェノンの効果

ピリオフェノンは、うどんこ病の付着器形成を阻害します。

無処理区と比較して付着器形成を低く抑え、付着器形成阻害効果を示します。そのため、植物体への感染を抑制します。

試験方法

  • 実施:石原産業(株)中央研究所 社内試験(2012)
  • 作物:小麦
  • 薬物処理:所定濃度の薬剤を植物体に散布
  • 接種:薬剤処理後に病原菌を植物体に振りかけ接種
  • 調査:病原菌接種2日後に顕微鏡下で付着器形成を調査
付着器形成

吸器形成 に対するピリオフェノンの効果

吸器形成に対するピリオフェノンの効果

ピリオフェノンは、うどんこ病の吸器形成を強く抑制します。

吸器形成阻害効果が非常に高く、低濃度で吸器形成を阻害します。

試験方法

  • 実施:石原産業(株)中央研究所 社内試験(2012)
  • 作物:小麦
  • 薬剤処理:所定濃度の薬剤を植物体に散布
  • 接種:薬剤処理後に病原菌を植物体に振りかけ接種
  • 調査:病原菌接種8日後に顕微鏡下で吸気形成を調査
吸器形成

二次付着器形成 に対するピリオフェノンの効果

ピリオフェノン処理区

ピリオフェノン処理区

無処理区

無処理区

付着器

ピリオフェノンは、二次付着器形成に影響を及ぼします。

二次付着器形成の異常を引き起こし、植物体からの栄養吸収を阻害します。

試験方法

  • 実施:石原産業(株)中央研究所 社内試験(2012)
  • 作物:小麦
  • 接種:植物体に病原菌を振りかけ接種
  • 薬剤処理:病原菌接種4日後にクロスアウトフロアブル(3,000倍)を植物体に散布
  • 調査:薬剤処理7日後に電子顕微鏡にて二次付着器を観察
二次付着器形成

菌糸伸長 に対するピリオフェノンの効果

菌糸伸長に対するピリオフェノンの効果

ピリオフェノンは、菌糸の伸長を強く阻害します。

高い菌糸伸長阻害効果を示します。この効果は、吸器形成が阻害されることで、菌糸体への栄養供給が遮断されるためと考えられます。

試験方法

  • 実施:石原産業(株)中央研究所 社内試験(2012)
  • 作物:小麦
  • 接種:植物体に病原菌を振りかけ接種
  • 薬剤処理:病原菌接種4日後に所定濃度の薬剤を植物体に散布
  • 調査:薬剤処理7日後に病斑径を計測
菌糸伸長

胞子形成 に対するピリオフェノンの効果

胞子形成に対するピリオフェノンの効果

ピリオフェノンは、胞子形成を強く阻害します。

胞子形成時に作用することで、胞子柄の形態に奇形を引き起こします。その結果、正常な胞子形成を阻害し、次世代のうどんこ病の発生を抑制します。

ピリオフェノン処理区

ピリオフェノン処理区

無処理区

無処理区

試験方法

  • 実施:石原産業(株)中央研究所 社内試験(2012)
  • 作物:小麦
  • 接種:植物体に病原菌を振りかけ接種
  • 薬剤処理:病原菌接種4日後に所定濃度の薬剤を植物体に散布
  • 調査:薬剤処理7日後に胞子形成面積を調査
ピリオフェノン処理区

ピリオフェノン処理区

無処理区

無処理区

胞子形成

*実用濃度:クロスアウトフロアブルのピリオフェノン濃度は75〜100ppm相当、カッシーニフロアブルは60〜90ppm相当、ラミック顆粒水和剤は40ppm相当となります。