ピリオフェノン ガイド

ピリオフェノンの効果

マルチスプレッド効果

ピリオフェノンは散布後速やかに浸達し葉内で移行します。このように、あらゆる方向に広がり防除効果を発揮することを”マルチスプレッド効果”といいます。

浸達性を有し、葉内移行性に優れる

ピリオフェノンは散布後速やかに葉内へ浸達します。

取り込まれたピリオフェノンは葉内で移行します。

浸達

ピリオフェノンは散布後速やかに葉内へ浸達します。

浸達性

葉表から葉裏
葉裏から葉表

葉表のみに薬剤を処理した場合、葉裏の防除価は40、葉裏のみに薬剤を処理した場合、葉表の防除価は60を示した。

試験方法

  • 実施:石原産業(株) 中央研究所 社内試験(2014)
  • 作物:きゅうり
  • 薬剤処理:所定濃度の薬剤を染み込ませたろ紙を葉表、または葉裏に置床
  • 接種:薬剤処理2日後・4日後に、葉裏に薬剤処理したものは葉表に、また、葉表に薬剤処理したものは葉裏に病原菌を噴霧接種
  • 調査:接種10日後に葉裏に薬剤処理したものは葉表、葉表に薬剤処理したものは葉裏の阻止円径(病斑形成が抑制されている範囲)を測定
葉内移行

取り込まれたピリオフェノンは葉内で移行します。

葉内移行性

葉内移行

本剤を染み込ませたろ紙の周囲約10mmの範囲において、うどんこ病の生育が抑制された。

処理2日後

本剤を染み込ませたろ紙の周囲は、うどんこ病の生育が抑えられ阻止円が大きく形成された。

試験方法

  • 実施:石原産業(株) 中央研究所 社内試験(2014)
  • 作物:きゅうり
  • 薬剤処理:所定濃度の薬剤を染み込ませたろ紙を葉表面に置床
  • 接種:薬剤処理2日後・4日後に病原菌を噴霧接種
  • 調査:接種10日後に阻止円径(病斑形成が抑制されている範囲)を測定

まん延防止効果(サニテーション効果)

ピリオフェノンは病斑の拡大や胞子飛散による病害の拡散を防ぎ、圃場や施設内の菌密度を低下させます。このように胞子形成を阻害し、次世代の菌密度を低下させる効果をまん延防止効果(サニテーション効果)といいます。

ピリオフェノンの病斑拡大および拡散阻害効果ピリオフェノンの病斑拡大および拡散阻害効果

無処理区では、病勢が強く病斑の拡大や胞子飛散による病斑数の増加が顕著となる条件下において、本剤処理区では病斑の拡大や増加が抑えられた。これは、本剤が菌糸伸長および胞子形成を強く阻害したためである。

ピリオフェノンの病斑拡大および拡散阻害効果

試験方法

  • 実施:石原産業(株) 中央研究所 社内試験(2014)
  • 作物:きゅうり
  • 試験条件:施設栽培
  • 薬剤処理:下位葉に発病を確認後、薬剤(3,000倍)を散布
  • 散布日:6月27日
  • 調査:7月3日(散布7日後)に観察
ピリオフェノンの病斑拡大および拡散阻害効果

ピリオフェノンの胞子形成阻害効果

ピリオフェノンの胞子形成阻害効果

ピリオフェノンは、胞子の形成を強く阻害します。

胞子が形成された後に本剤を処理し、処理7日後に胞子形成数を調査した。無処理区では試験開始時より胞子数が3倍程度増加したのに対して、処理区では胞子形成が著しく抑制されていた。

試験方法

  • 実施:石原産業(株) 中央研究所 社内試験(2014)
  • 作物:きゅうり
  • 試験条件:ポット試験
  • 処理濃度:3,000倍
  • 接種:薬剤処理6日前に病原菌を植物体にスポット接種
  • 調査:接種13日後(薬剤散布7日後)に胞子数を調査

ピリオフェノンの病斑拡大阻害効果

ピリオフェノンの病斑拡大阻害効果

ピリオフェノンは、病斑の拡大を強く阻害します。

初期病斑が形成された後に本剤を処理し、処理7日後に拡大した病斑径の測定を行った。無処理区の病斑径が4mm(平均)まで拡大しているのに対し、処理区の病斑径は0.2mm(平均)であり、無処理区と比較し病斑拡大を95%抑制した。

試験方法

  • 実施:石原産業(株) 中央研究所 社内試験(2014)
  • 作物:きゅうり
  • 試験条件:ポット試験
  • 処理濃度:3,000倍
  • 接種:薬剤処理6日前に病原菌を植物体にスポット接種
  • 調査:接種13日後(薬剤散布7日後)に病斑径を測定

治療痕が残ります

治療的な条件で散布した場合、既に形成された病斑は消失せず治療痕として残る場合があります。治療痕は、死滅した菌糸が残ったもので、その後病斑が拡大することはありません。

早めの散布をおすすめします
治療痕

※うどんこ病の胞子形成阻害効果をみるモデル試験として供試作物はきゅうりを選択しています。クロスアウトフロアブルは耐性菌リスクの観点からきゅうりの登録は取得しておりません。