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サツマイモ基腐病とは?
九州を中心として被害が深刻化しているサツマイモ基腐病。全国各地で発生が確認され日に日に被害が拡大しています。
当社では、2022年3月17日付で、殺菌剤「石原フロンサイドSC」「石原フロンサイド粉剤」がかんしょ・基腐病へ適用拡大されました。本記事では、両剤の上手な使い方や体系防除例をご紹介します。
サツマイモ基腐病とは
サツマイモ基腐病は、Diaporthe destruens(ディアポルテ・デストルエンス)という糸状菌に感染することにより、苗床や本圃で発生します。基腐病菌は、主に、感染した種イモや苗を植え付けることで圃場に持ち込まれます。また、土壌中の前作罹病残渣からも感染します。発病すると初期症状として地上部の萎れ、葉の退色やアントシアンが生じ、茎の地際部に黒変を生じます。茎の黒変は本病原菌の胞子が詰まった柄子殻であり、この胞子は、降雨により生じる停滞水や跳ね上がりなどにより周辺株に広がり、基腐病のまん延を引き起こします。



サツマイモ基腐病のまん延を防ぐ3つのポイントは、基腐病菌を「持ち込まない」「増やさない」「残さない」ことです。そのため、健全苗または種芋を使用することはもちろんのこと、苗消毒、汚染土壌の殺菌、茎葉散布による体系防除が必須となります。病原菌による土壌の汚染が進んでからの防除は難しくなるため、早期に発見し、少発生のうちに徹底的に「増やさない」「残さない」対策を実施しましょう。
このうち、サツマイモ基腐病を「増やさない」対策の一環として、殺菌剤「石原フロンサイドSC」「石原フロンサイド粉剤」の上手な使い方や注意点をご紹介します。
サツマイモ基腐病の体系防除における注意点
殺菌剤「石原フロンサイドSC」「石原フロンサイド粉剤」は植え付け前に処理してください。本剤は植物体内への浸透移行性はほとんどないので、治療効果は期待できませんが、残効性、耐雨性にすぐれ、高い予防効果を発揮します。本剤の効果をしっかりと発揮させるため以下点に注意してください。
- 苗がすでに感染している場合はフロンサイドSC・粉剤を使用しても効果が期待できません。必ず健全苗や苗消毒したものを植付けてください。
- フロンサイドSC・粉剤の土壌混和処理の効果は土壌からの一次感染のみで、その効果はおおむね2ヵ月程度です。フロンサイドSC・粉剤の土壌混和後もサツマイモ基腐病に有効な薬剤の散布を継続して行うなど体系防除に努めてください。
- 前作、サツマイモ基腐病の発病が多かった圃場では十分な効果を発揮できない場合があります。

上手な使い方
~石原フロンサイドSC~

[適用病害と使用方法(かんしょ抜粋)]
作物名 | 適用病害名 | 10アール当り使用量 | 使用時期 | 使用方法 | 総使用回数* | |
---|---|---|---|---|---|---|
薬量 | 希釈水量 | |||||
かんしょ | 基腐病 | 500㎖ | 200ℓ | 植付前 | 全面散布土壌混和 | 1回 |
*本剤およびフルアジナムを含む
農薬の総使用回数の制限を示す。
上手な使い方
~石原フロンサイド粉剤~

[適用病害と使用方法(かんしょ抜粋)]
作物名 | 適用病害名 | 10アール当り使用量 | 使用時期 | 使用方法 | 総使用回数* |
---|---|---|---|---|---|
かんしょ | 基腐病 | 40kg | 植付前 | 全面土壌混和 | 1回 |
*本剤およびフルアジナムを含む
農薬の総使用回数の制限を示す。
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